インプラント治療のやり方は?治療時の過ごし方と4つの注意点を解説

インプラント治療のやり方は?治療時の過ごし方と4つの注意点を解説
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「インプラント治療のやり方は?」「インプラント手術で痛みや腫れはある?」「インプラント治療による仕事への影響を最小限に抑えたい」と思っていませんか?
インプラントの治療計画はひとりひとり異なるため、歯科医師と相談のうえ、自身に適した治療計画の立案が必要です。
この記事では、「インプラント治療のやり方や治療時の過ごし方」を紹介します。
インプラント治療を受ける際の注意点まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラント治療とは?

インプラント治療は、失った歯の代わりに人工の歯根を顎の骨に埋め込み、歯根のうえに人工の歯を装着する方法です。従来のブリッジや入れ歯と異なり、健康な歯を削る必要がなく、自然な見た目と機能を回復できます。
長期的な口腔健康維持に効果的な治療方法で、治療期間は「3カ月〜1年以上」かかる場合もあります。

インプラント治療のやり方・流れ【5ステップ】

インプラント治療のやり方・流れを5ステップで紹介します。

  1. 初診とカウンセリング
  2. 検査と治療計画の立案
  3. インプラント手術
  4. 最終補綴物の装着
  5. メンテナンスとアフターケア

それぞれ解説します。

1.初診とカウンセリング

初診とカウンセリングでは、歯科医師が患者の口腔内の状態を詳細に確認し、患者の希望や不安のヒアリングがおこなわれます。
歯の状態や歯茎の健康状態を確認し、インプラント治療の適応性を判断します。また、主なカウンセリング項目は、以下のとおりです。

  • 治療の目的
  • 治療方法
  • 治療のリスク
  • 治療費用

患者と歯科医師の間で信頼関係を築き、最適な治療計画を立てるための情報収集をおこないます。

2.検査と治療計画の立案

検査と治療計画の立案では、レントゲンやCTスキャンなどの精密検査を実施し、顎の骨の量や質、神経や血管の位置を正確に把握します。
検査結果をもとにインプラントの本数やサイズ、埋入位置を決定し、必要に応じて骨造成などの治療の計画も立てていきます。

3.インプラント手術

患者の同意を得たうえで、インプラント手術へ進みます。インプラント手術の手順は、以下の流れです。

  • 3-1.一次手術(インプラント埋入)
  • 3-2.待機期間
  • 3-3.二次手術(アバットメント装着)

ひとつずつ解説します。

3-1.一次手術(インプラント埋入)

インプラント治療の一次手術では、局所麻酔を施したあと、歯科医師が歯肉を切開して顎の骨を露出させます。その骨に対し、専用のドリルを使用して骨に穴を開け、人工歯根であるインプラント体を埋入します。
手術時間は、通常1時間程度です。一方、埋入本数や骨の状態によって変わる場合もあります。手術後は、インプラント体を歯肉で覆い縫合します。

3-2.待機期間

一次手術後、インプラント体と顎の骨が結合するまでの待機期間が必要です。この過程はオッセオインテグレーションと呼ばれ、通常3〜6カ月かかります。
期間中、患者は歯科医師の指示に従い、適切な口腔ケアが必要です。激しい運動や治療部位での咀嚼は避け、できるだけ安静にすることが推奨されます。
また、定期的な検診を受け、インプラント体の状態や骨との結合具合をチェックします。

3-3.二次手術(アバットメント装着)

インプラント体と骨の結合が完了すると、二次手術です。歯肉を再度切開してインプラント体を露出させ、人工歯を支える土台となるアバットメントを装着します。
その後、歯肉の治癒を待ち、最終的な人工歯の型取りをおこないます。二次手術の所要時間は、通常10分程度です。

4.最終補綴物の装着

インプラント体と骨の十分な結合を確認ができたら、人工歯(補綴物)の装着をおこないます。補綴物は、患者の口腔内の状態や噛み合わせに合わせて精密に作製されたものです。
装着方法には主にスクリュー固定とセメント固定があり、患者の状態や歯科医師の判断によって選択されます。作製された人工歯を装着して完了です。

5.メンテナンスとアフターケア

インプラント治療後にも定期的な歯科検診や専門的なクリーニングを受けることで、インプラント周囲の健康を維持できます。
また、自宅のケアについては、適切な歯磨き方法や専用の清掃器具の使用方法も指導を受けます。治療後に違和感や痛みを感じた場合、速やかに治療を受けた歯科医院へ相談をおこないましょう。

【種類別】インプラントの治療方法

種類別のインプラントの治療方法は、以下のとおりです。

  • 1回法
  • 2回法
  • オールオン4

それぞれ解説します。

1回法

インプラントの治療の1回法では、1回の手術でインプラント体を顎骨に埋入し、同時にアバットメントを装着します。手術後、インプラントは粘膜のうえに露出した状態となりますが、最短で手術当日から仮歯を入れることが可能です。
1回法のメリットは、以下のとおりです

  • 手術回数が少ないため患者の身体的負担が軽減される
  • 治療期間が比較的短い

ただし、1回法は骨の状態が良好で、インプラントの初期固定が十分に得られる場合に適しています。

コラム

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2回法

2回法では、1次手術でインプラント体を顎骨に埋入し、粘膜で完全に覆います。オッセオインテグレーション(骨結合)の期間を経て、2次手術でインプラントを露出させ、アバットメントを装着します。
2回法は、骨移植が必要な場合や、インプラントに外力がかかるリスクの高い場合に最適です。治療期間は1回法より長くなりますが、骨との結合をより確実にできます。

オールオン4

オールオン4は、上下顎の歯をすべて失った患者に適した革新的なインプラント治療法です。上下それぞれの顎に、4本〜6本(オールオン6)のインプラントを戦略的に配置し、固定式の義歯を装着します。
オールオン4の特徴は、以下のとおりです。

  • 少ない本数のインプラントで全顎の機能を回復できる
  • 骨移植を必要としない

治療は通常、局所麻酔下でおこなわれ、必要に応じて静脈内鎮静法を併用する場合もあります。手術後、即日で仮の義歯を装着でき、患者の生活の質を迅速に向上させられます。

インプラント治療を受ける際の4つの注意点

インプラント治療を受ける際の注意点は、以下の4つです。

  • 信頼できる歯科医院を選ぶ
  • セルフケアやメンテナンスを徹底する
  • 持病があれば専門医師へ必ず報告する
  • 生活習慣を見直す

ひとつずつ解説します。

信頼できる歯科医院を選ぶ

インプラント治療の成功には、経験豊富で信頼できる歯科医院の選択が不可欠です。治療前に、歯科医院の実績や使用する材料の品質、治療計画の詳細な説明などを確認しましょう。
また、最新の設備や技術が導入された医院を選ぶことで、より精密で安全な治療を受けられます。CTスキャンなどの高度な診断機器を用いて、骨の状態や神経の位置を正確に把握できる医院を選ぶことが重要です。

セルフケアやメンテナンスを徹底する

インプラント治療では、治療後のセルフケアとメンテナンスも重要です。とくに、毎日の丁寧な歯磨きやフロス使用に加え、インプラント専用のブラシの使用が推奨されます。
また、定期的な歯科検診を受け、プロフェッショナルクリーニング(PC)をおこなうことで、インプラント周囲の炎症や感染を予防できます。プロフェッショナルクリーニングとは、歯科医師や歯科衛生士が特別な機器を使って、歯についた汚れや細菌の塊などをきれいにする歯のクリーニングのことです。
インプラント周囲炎の予防には、継続的なケアが不可欠です。

持病があれば専門医師へ必ず報告する

インプラント治療を受ける前に、持病や服用中の薬について歯科医師に必ず報告しましょう。とくに、以下の持病は、インプラント治療の成功率に影響を与える可能性があります。

  • 糖尿病
  • 骨粗しょう症
  • 心臓病

たとえば、糖尿病患者の場合、血糖値のコントロールが重要です。専門医師と歯科医師が連携することで、より安全で効果的な治療計画を立てられます。

生活習慣を見直す

インプラント治療の成功と長期的な維持には、健康的な生活習慣が重要です。たとえば、喫煙はインプラント周囲の骨結合を阻害し、治療の失敗リスクを高めるため、禁煙が推奨されます。
また、バランスの取れた食事や適度な運動は、全身の健康維持に役立ち、インプラントの長期的な成功につながります。アルコールの過剰摂取も避け、ストレス管理にも気を配ることで、口腔内の健康を維持しやすいです。

インプラント治療のやり方でよくある質問

インプラント治療のやり方で、よくある質問をまとめました。
それぞれ解説します。

インプラントとは何ですか?

インプラントは、失った歯の代わりに人工歯根を顎の骨に埋め込み、そのうえに人工歯を固定する治療法です。自然な見た目と機能を回復し、噛む力や発音を改善します。
インプラントは金属やセラミックスなどの素材で作られ、埋込後は顎の骨と結合します。

インプラント手術に痛み・腫れはありますか?

インプラント手術は局所麻酔下でおこなわれるため、手術中の痛みはほとんどありません。手術後に多少の痛みや腫れを生じるケースもありますが、通常は術後2〜3日目にピークを迎えます。
歯科医師の指示に従い、適切な術後ケアをおこなうことで、不快感を最小限に抑えられます。

インプラント治療の期間・費用はどのくらいですか?

インプラント治療の費用相場は、「1本あたり30〜40万円程度」です。また、インプラントの治療期間は「3カ月〜1年以上」かかる場合もあります。

誰でもインプラント治療を受けられますか?

インプラント治療は、基本的に18歳以上の健康な成人が対象です。ただし、顎の骨の発達状態や全身の健康状態によって、治療が受けられないケースがあります。
たとえば、以下に該当する方は治療が難しいと判断される場合もあります。

  • 重度の全身疾患がある方
  • 喫煙している方
  • 進行中の歯周病がある方

適応については、詳細な検査と診断を経て歯科医師が判断するため、まずは治療を検討している歯科医院へお問い合わせください。

インプラントの寿命はどのくらいですか?

インプラントの平均寿命は「10〜15年程度」ですが、適切なケアをおこなうことで「20年以上」持つ場合もあります。
ただし、寿命は個人差があるため、日々のケアや定期的なメンテナンスが重要です。

コラム

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手術後に飲食はできますか?

インプラント手術後、麻酔が切れてからは当日から食事が可能です。ただし、手術後3日間程度は、以下の飲食に注意が必要なため避けましょう。

  • 辛いもの
  • 固いもの
  • 極端に熱いまたは冷たいもの
  • 甘いもの

一方で、うどんやそば、おかゆなどやわらかく刺激の少ない食べ物がおすすめです。

手術後の過ごし方はどうしたら良いですか?

手術後は傷口の治癒を促進するため、安静に過ごすのが大切です。歯科医師の指示に従い、激しい運動や飲酒は避け、適切な口腔ケアをおこないましょう。

まとめ

インプラント治療におけるやり方は、最適な治療計画がひとりひとり異なるため、専門医と相談のうえ決めるのがおすすめです。また、治療前に歯科医院の実績や使用する材料の品質、治療計画の詳細な説明などをよく確認しておきましょう。
当院では、日本口腔インプラント学会所属・認定の経験豊富な歯科医師にてインプラント治療をおこなっております。
とくに「インプラント治療による私生活への悪影響を最小限に抑えたい方」や「自身に最適なインプラントの治療計画を立てたい方」は、イオン直結の「おくだデンタルクリニック港南台」へお気軽にご相談ください。
港南台バーズ、ロピアにお越しの際も、ぜひお立ち寄りください。

この記事の監修者

本院院長 奥田 健太郎

略歴

2002年 日本歯科大学卒業
2002年 歯科医師免許取得
2003年 医療法人京和会梅田歯科 勤務
2005年 医療法人武内歯科医院 勤務
2009年 おくだデンタルクリニック開院 院長就任
2010年 九州大学大学院 博士号(歯学博士) 取得
2010年 九州大学大学院 歯学府 卒業
2011年 医療法人社団 健光会 設立
現在に至る

所属学会

アメリカインプラント学会
日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
AAIDアメリカインプラント口腔学会
日本顎咬合学会