「インプラントは絶対にだめ」といわれる10の理由

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インプラント治療を検討しているときに、「インプラントは絶対にだめ」と言われた経験がある方もいるでしょう。インプラント治療の知識がない状態で言われてしまうと、なんだか不安になってしまう言葉です。

そこでこの記事では、以下の内容について解説していきます。

  • 「インプラントは絶対にだめ」といわれる10の理由
  • 「インプラントは絶対にだめ」ではない!メリットも豊富
  • インプラントを成功させる3つのポイント

ダメといわれる理由を把握し、自分自身にとって本当にインプラント治療を受けないべきなのか検討してみてください。

 

「インプラントは絶対にだめ」といわれる10の理由

では早速、インプラントは絶対にだめといわれる理由について、以下10個の観点から解説していきます。

  • 顎骨の状態次第で追加の手術が必要だから
  • インプラントできない場合があるから
  • 手術で神経を傷つけることがあるから
  • 禁煙・減煙の必要があるから
  • 治療期間が長いから
  • 治療費が高いから
  • 手術に伴う感染のリスクがあるから
  • 金属アレルギーのリスクがあるから
  • 治療後にメンテナンスを徹底する必要があるから
  • インプラント脱落による再治療の難易度が高いから

それぞれ見ていきましょう。

 

顎骨の状態次第で追加の手術が必要だから

インプラント治療は人工の歯を装着する治療です。人工の歯を装着するためには、顎の骨にインプラント体と呼ばれる人工の歯根を埋め込む必要があります。これは外科手術にあたる治療ですが、顎の骨の状態では追加で別の手術を受けなければなりません。

インプラント体を埋め込むだけの顎の骨の強さがない場合、骨造成をしなければなりません。骨造成とは文字通り骨を作る手術です。他の部分から骨を採取し、必要な箇所に採取した骨と骨補填材を充填します。充填した骨と骨補填材が骨として再生するのを待つ期間も発生します。

骨造成手術は手術の手間や費用だけでなく、治療期間もその分長くなります。自分の顎の状態は把握できませんからインプラント治療のための検査をしなければ骨造成の必要性はわかりません。これら事項をリスクだと捉え、インプラントをだめと判断する方がいます。

 

インプラントできない場合があるから

実は全ての方がインプラント治療を受けられるわけではありません。先ほど解説したように顎の骨が極端に弱い方などは骨造成してもできないと判断される可能性があります。ほかにも高血圧の方や糖尿病の方は感染症のリスクがあるとして、治療を断られる方もいます。

これらの事項に当てはまる方が絶対に治療をできないわけではありません。持病があってもきちんと治療を受け、コントロールできる方であれば問題なくインプラント治療を実施できます。

まずは歯科医院で相談し、持病がインプラント治療に与える影響を判断してもらいましょう。

 

手術で神経を傷つけることがあるから

インプラント体を顎の骨に埋め込む際、歯茎を切開し、インプラント体を埋め込むための穴を開ける手術をおこないます。この手術によりお口の中の血管や神経を傷つけてしまうリスクが発生します。傷つけてしまった血管や神経が細菌に感染し、炎症を起こす可能性もあるのです。

どのような治療でも一定のリスクは伴いますが、外科手術を必要とするインプラント治療はそのリスクが高い傾向があります。

リスクのない治療を求めている方にとってはインプラント治療は選択したくない治療の一つなのです。

 

禁煙・減煙の必要があるから

インプラント治療を受ける際は、禁煙・減塩の必要があり、ヘビースモーカーの方にとってはしたくない治療の一つといえるでしょう。

インプラント治療は、本来そこにはない人工の歯根と歯を埋め込む治療です。そのため埋め込んだ歯根と骨が結合するのを待つ必要がありますし、手術後の傷の治りも観察しなければなりません。喫煙は血流を低下させ、血管を収縮させる行為です。そのため、インプラント治療後の骨の結合や傷口の修復に悪影響を与えます。

また喫煙は治療後のインプラント周囲炎のリスクも高めるため、治療している間だけ我慢すれば良いわけではありません。タバコを断ち切る気持ちが無ければ治療はおすすめできません。

治療期間が長いから

インプラント治療は治療期間が長いです。失った歯の治療法には他にブリッジや入れ歯がありますがこれらの治療期間は3か月ほどです。対してインプラントの場合の治療期間は6か月〜12か月ほどで、ブリッジや入れ歯に比べると非常に長い治療といえます。

治療期間が長くなる理由としてはインプラント体と顎の骨が結合するのに時間がかかるためです。治療期間中何回も通院する必要はなく、通院回数としては5〜8回程度が目安です。

また、インプラント治療は治療後もメンテナンスのために通院する必要があります。お口の健康を維持するためには必要な通院ですが、面倒に感じて通院できない方にはおすすめできない治療といえるでしょう。

 

治療費が高いから

インプラントと聞いて思い浮かぶのは治療費の高さではないでしょうか。保険適用外の治療になるため、すべて自己負担で支払う必要があります。インプラント体や人工歯などの材料代も高額で、人件費や検査費用もかかるため、一般的な治療よりも高額になってしまいます。

ただ、高額だからこその美しさや耐久性、使用感の高さもあります。値段が高いと感じるかコストパフォーマンスが高いと感じるかは人それぞれでしょう。

また、インプラント治療は医療費控除の対象です。制度を利用して、負担を抑える方法もあります。

 

手術に伴う感染のリスクがあるから

インプラント治療に必要な外科手術は感染リスクがあります。歯茎を切開した際に細菌が入り込むと細菌感染するでしょう。

感染してしまう理由としては手術時の衛生環境の悪さや患者の体質、健康状態によるものが多いです。衛生環境に関しては、きちんと衛生管理されている歯科医院を選べば防げます。また、健康状態に関しても歯科医師と相談し、持病がある場合はかかりつけ医との連携ができればリスクを抑えられます。

また、感染リスクは手術中だけでなく術後も気をつけなければなりません。歯科医師の指示に従い、お口のケアと処方された抗生物質の服用をきちんとおこないましょう。

 

金属アレルギーのリスクがあるから

金属アレルギーの方はインプラント治療において注意が必要です。人工歯根として埋め込むインプラント体はチタンであるケースがほとんどです。チタンは金属アレルギー反応ができにくい素材ですが、100%大丈夫とは言えません。治療前に歯科医師と相談する必要があるでしょう。

金属アレルギーのリスクを回避したい方はジルコニアを使用したインプラント治療も選択できます。しかし、ジルコニアのインプラント治療にもデメリットがありますので注意が必要です。

 

治療後にメンテナンスを徹底する必要があるから

インプラント治療は治療が終わったら通院終了するわけではありません。インプラントを長持ちさせるために定期的な通院が必須です。メンテナンスを怠るとインプラントの寿命が短くなり、最悪抜け落ちてしまう可能性があります。

通院の頻度としては3か月〜6か月に一度です。個人差があり、自宅でのセルフメンテナンスがきちんとできている方は通院頻度は多くありません。

メンテナンスが煩雑になり、インプランをとしなければよかったと感じる方がいるのは事実です。

 

インプラント脱落による再治療の難易度が高いから

インプラントが抜け落ちてしまった場合、再治療が難しい点もインプラントは絶対にだめといわれる理由の一つです。インプラントが抜け落ちる理由としては寿命のほか、お口の中の環境が悪くなってしまう場合もあります。顎の骨が少なくなり、抜け落ちたとなると再度インプラント体を埋め込むのは難しいでしょう。

しかし、絶対に再治療できないわけではありません。被せている人工歯が抜けた場合であれば、人工歯を再度作り直して再治療できます。顎の骨が少なくなった場合であっても、骨造成が可能と判断されれば、再治療できるでしょう。

 

「インプラントは絶対にだめ」ではない!メリットも豊富

インプラントは、「絶対にだめ」といわれるようなデメリットだけでなく、メリットも豊富にある治療方法です。ここからは、インプラント治療のメリットを4つご紹介します。

  • 歯根がなくても治療できる
  • 周囲の歯を傷つけない
  • 審美性が高い
  • 発音や咀嚼をしやすい

ぜひ治療を受ける際の参考にしてください。

 

歯根がなくても治療できる

インプラントは1本から治療ができます。歯根が残っている場合であれば差し歯という選択肢ができますが、歯根がない状態だとその治療は選択できません。ただし、歯根から歯がなくなってしまった場合でもインプラントであれば治療ができます。

歯根は歯がぐらつかないようにする役割があります。インプラント治療の場合、人工歯根がその役割を果たすため、ぐらつかずに咀嚼できます。自然歯と同じ働きができるインプラントは歯根からなくなった場合でも選択できる治療で、インプラントならではのメリットです。

 

周囲の歯を傷つけない

インプラント治療は人工歯根を埋め込む治療のため、周りの歯を傷つけないメリットがあります。歯を失った場合の治療法にはブリッジと入れ歯がありますがどちらも周囲の歯を傷つけてしまう治療です。

ブリッジの場合は、失った歯に隣り合わせる歯を削り被せものを被せる必要があります。隣り合わせの歯が健康な歯であっても削らなければならない点はデメリットになります。また、入れ歯に関しても隣り合わせの歯にバネをかけなければなりません。そのため、隣り合わせる歯に負担をかけてしまう治療です。

健康な歯を傷つけずに治療できるインプラント治療は、口の中の健康を意識している方にとっては嬉しい治療です。

 

審美性が高い

インプラントの大きなメリットの一つにその美しさがあります。自然歯と変わらない見た目で、インプラントかどうかはぱっと見判断できません。人工歯根のインプラント体は歯茎に埋め込まれているため、違和感がありません。

また、被せ物はすでにある自然歯と同じ色味や形状で調整します。お口は顔の印象に影響を与える部分のため、審美性が高いインプラントはそれだけで人気のある治療方法です。

 

発音や咀嚼をしやすい

インプラントが天然歯と近い機能を持っている点は、発音や咀嚼に良い影響を与えます。

ブリッジや入れ歯などの治療法は、隙間ができるため空気が漏れて発音がしにくくなります。入れ歯に関してはお口の中が狭くなる点も発音に影響を与えます。入れ歯に関しては隙間に食べ物が挟まるため咀嚼もしにくいと感じる方もいます。

発音や咀嚼など日常生活において必要不可欠な行動に制限がかかるのは辛いものです。インプラントであればこれまでと同じような生活を送れるメリットがあります。

 

インプラントを成功させる3つのポイント

インプラントを確実に成功させるためのポイントとして、以下の3つにわけて解説します。

  • 歯科医師と治療方針をよく相談する
  • インプラント以外の治療と比較する
  • 実績があり信頼できる歯科医院を選ぶ

インプラントで失敗したくないとお考えの方は、そのための知識を身に付けましょう。

 

歯科医師と治療方針をよく相談する

インプラントはお口の状態や持病などで治療の進め方が変わります。治療期間や費用に関しても予定よりも大幅にオーバーする可能性もあるでしょう。不安や要望などについては歯科医師に相談するところから始めましょう。

人それぞれで口内の状態が異なり、インプラント治療によるリスクや注意点も異なります。自分は何に気をつけるべきなのか・生活スタイルの見直し・治療にあたり知っておくべき事項・治療方針などについて、よく歯科医師に相談するようにしましょう。

 

インプラント以外の治療と比較する

失った歯の治療方法は、インプラント以外にも以下のような方法があります。

ブリッジ インプラントと同じ人工歯を入れる治療方法です。このとき、両隣の歯を削り支えとします。失った歯の数が1本〜2本程度の少ない本数の場合に適用できる方法です。両隣の健康な歯を削る必要がある点が注意点です。
入れ歯 複数本の歯を失った場合に有効な治療方法です。保険適用の入れ歯もあるため、選択しやすいと言えるでしょう。また、取り外して洗えるため綺麗に使用できる点がメリットです。
インプラントオーバーデンチャー インプラントオーバーデンチャーはインプラントと入れ歯の良いところを取り入れた治療です。インプラント体を埋め込み、そこに入れ歯を装着します。一般的な入れ歯よりもしっかり固定されるので咀嚼しやすいです。
オールオン4・オールオン6 オールオン4・オールオン6はインプラント体4本を基盤として片顎すべての歯を装着します。12本の連結した人工歯を固定できるので、多くの歯を失った際に有効な治療です。

歯の状態や健康状態によってはインプラント以外の治療が適している可能性もありますので、歯科医師とよく相談するようにしてください。

 

実績があり信頼できる歯科医院を選ぶ

インプラント治療は簡単にできる治療方法ではありません。すべての歯科医師が対応できる治療ではないのです。歯科医院を選ぶ際にはインプラント治療の実績が豊富にある歯科医院を選ぶようにしましょう。豊富な実績を持っている歯科医師であれば、どんなお口でも対応して治療を実施できます。

また、実績だけでなく、丁寧に診察してもらえるか、説明はわかりやすいかもポイントです。信頼できる歯科医院で治療してもらうためには実績だけでなく歯科医師との相性も重要です。任せられる歯科医院を探すようにしましょう。

まとめ

インプラントは、絶対にだめといわれる理由があるのは事実です。

しかし、インプラントにしかないメリットもあるため、一概にインプラントがだめとは言い切れません。審美性が高く、他の歯に影響を与えないインプラントは、お口の健康を守りたい方におすすめできる治療方法です。

その他の治療法とも比較しながら、インプラントにするか判断しましょう。

当院ではインプラント治療をおこなっております。インプラントをご検討中の方は、イオン直結のおくだデンタルクリニックへお気軽にご相談ください。港南台バーズ、ロピアにお越しの際もぜひお立ち寄りください。

この記事の監修者

本院院長 奥田 健太郎

略歴

2002年 日本歯科大学卒業
2002年 歯科医師免許取得
2003年 医療法人京和会梅田歯科 勤務
2005年 医療法人武内歯科医院 勤務
2009年 おくだデンタルクリニック開院 院長就任
2010年 九州大学大学院 博士号(歯学博士) 取得
2010年 九州大学大学院 歯学府 卒業
2011年 医療法人社団 健光会 設立
現在に至る

所属学会

アメリカインプラント学会
日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
AAIDアメリカインプラント口腔学会
日本顎咬合学会