2024/11/11
インプラントを検討されている方の中で、「インプラントって虫歯になるの?」と疑問に思ったことはありませんか?
結論、インプラントは人工歯のため、天然歯のように虫歯になることはありません。
この記事では、以下の内容を解説していきます。
- インプラントが虫歯にならない理由
- インプラント治療後に虫歯以外で考えられるトラブル
- インプラントを長持ちさせるためのケアやトラブル防止法
インプラントと虫歯の関係だけでなく、さまざまなトラブルを防止する方法について解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそもインプラントとは?
インプラントとは、失った歯の部分に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
これは、失った歯を補う他の方法(義歯やブリッジなど)と異なり、顎の骨に直接固定されるため、強固な支持力を持つ点が特徴です。
また、インプラントは周囲の健康な歯に負担をかけないという利点があります。
たとえば、ブリッジ治療では隣の健康な歯を削って支えにする必要がありますが、インプラントではその必要がありません。
その結果、天然の歯に近い見た目や機能を実現でき、審美性と機能性の両方を備えた治療法といえます。
インプラントは虫歯にならない
インプラントは、虫歯になることはありません。では、天然歯に近い働きをするインプラントはなぜ虫歯にならないのでしょうか。
インプラントが虫歯にならない理由
虫歯とは虫歯菌が歯を溶かしていくところから始まります。虫歯菌が歯につくと、歯の表面についている糖質を取り込み、酸を作り出します。この酸が歯を溶かす原因です。 虫歯の初期段階では酸が歯のエナメル層と呼ばれる表面部分のみ溶かしていきますが、放置すると歯の内部まで進行します。歯の内部には象牙質と呼ばれる部分があり、ここまで溶かされてしまうと痛みを感じ始めます。 一方でインプラントは人工の歯を被せるため、象牙質がありません。酸によって溶かされないため、虫歯にはならないのです。インプラントが虫歯になり、歯に穴が開いたり、痛みを感じるようなケースはありません。
インプラント治療後に虫歯以外で考えられるトラブル
ここまでインプラントは虫歯にならないと解説してきました。一つ注意してほしいのは、インプラントは虫歯にはなりませんが、以下のような口腔内トラブルが発生する可能性があります。
- インプラント周囲炎になる
- インプラント以外の歯が虫歯になる
- 歯茎が腫れる
- インプラントが脱落する
- 人工歯が割れる
それぞれ解説します。
インプラント周囲炎になる
インプラント治療後に発生するトラブルで特に注意したいのはインプラント周囲炎です。これはインプラントが歯周病菌に感染すると起こるトラブルです。
埋め込んだ人工歯根や被せ物は人工物ですが、埋め込む場所は歯茎や顎の骨のため、身体の組織が生きている場所といえます。
その部分に細菌が入り込んでしまうとインプラント周囲炎と呼ばれる炎症が起きてしまうのです。
細菌が入り込む原因としてはメンテナンス不足や喫煙、歯ぎしりなどの口腔内の癖などがあります。
インプラント周囲炎を放置すると、最悪の場合、インプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。
インプラント治療後はとくに注意したいトラブルですので覚えておきましょう。
インプラント以外の歯が虫歯になる
口腔内の歯をすべてインプラントにする場合であれば、虫歯になることは2度とありません。
しかし、一部の歯のみインプラントにする場合は、他の天然歯には虫歯になる可能性が残っています。
埋め込んだインプラントと天然歯の隙間に磨き残しの汚れがついているとそこから虫歯になる可能性は大いにあります。
インプラントだけでなく、残っている天然歯にも意識を向けて虫歯対策をしていく必要があります。
歯茎が腫れる
インプラント治療では手術を実施します。歯茎を切開する必要がありますので、手術後の経過観察が必須です。
手術後に腫れたり、出血したりする可能性があるためです。手術後しばらくは術部の様子を観察し、腫れや痛み、出血が続くようであれば受診が必要です。
感染症に感染している可能性もあるため、歯以外の歯茎にも意識を向けるようにしましょう。
インプラントが脱落する
インプラント治療では顎の骨に人工歯根を埋め込みます。この際に人工歯根と顎の骨がきちんと連結されずに被せ物をしてしまうと、インプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。
被せ物をする前に、きちんとくっついているか確認が必要ですし、被せ物をした後もぐらいついていないかなど定期的に観察が必要です。
インプラント治療の経験が少ない歯科医師の場合、この確認作業ができていない場合があります。
事前にホームページなどで実績の確認をし、信用できる歯科医院を選ぶようにしましょう。
また、インプラント周囲炎が進行している場合でもインプラントが抜け落ちる可能性があります。
治療が終わった後も安心せずに、メンテナンスやケアをするようにしましょう。
人工歯が割れる
人工歯根に被せる人工歯が割れてしまうトラブルも存在します。原因としては歯ぎしりや食いしばりなどの毎日の癖や事故など強い衝撃などがあげられます。
噛み合わせの変化で知らぬ間に強い負担がかかっているケースもあるでしょう。
割れてしまった場合は歯科医院にて治療が必要になります。しかし、原因を取り除かなければまた割れてしまう可能性もあるでしょう。
口腔内の癖や噛み合わせなどは常に意識するようにしましょう。
インプラントを長持ちさせるためにはケアが必須
このようにインプラントは虫歯になりませんが、トラブルが発生する可能性があります。
これらのトラブルを回避するためにはケアが必要不可欠です。日々のメンテナンスや定期的な通院は面倒に感じるかもしれません。
しかし、高い費用を支払って治療をしても、ケアを怠ることで治療が無駄になってしまう恐れがあります。
インプラントの寿命を長くするためには自身の意識付けが必要です。きちんとしたメンテナンスを実施すればその分インプラントは長持ちします。
治療をしたら終わりではなく、その後長持ちさせるためにきちんとケアするようにしましょう。
インプラントのトラブルを防ぐ方法6選
インプラントのトラブルを防ぐ具体的な方法を6つご紹介します。
- インプラント手術後の食事に注意する
- インプラント手術後のうがいに注意する
- インプラント手術後2週間は柔らかい歯ブラシを使う
- 正しく歯磨きをする
- デンタルフロスを使う
- 歯科医院で定期的なメンテナンスを受ける
自宅でおこなえるセルフケアも含まれているので、ぜひ実践してください。
インプラント手術後の食事に注意する
インプラントの手術後はまだ術部が安定していません。人工歯根と顎の骨がきちんと連結するまで待つ必要があります。
術部にはあまり刺激を与えないように食事には注意しましょう。硬い食べ物を食べるときにはできるだけ手術した部分以外で噛むようにし、飲酒は避けましょう。
食事とは異なりますが、喫煙も避けるべきです。喫煙したときに血管が収縮し、インプラント手術をした部分に悪い影響を与えます。
インプラント治療をすると決めた場合は禁煙もしくは数本数を少なくするようにしましょう。
インプラント手術後のうがいに注意する
インプラント手術が終わってすぐは出血が起こる可能性があります。強くうがいをしてしまうと、傷口が開き、出血が止まらなくなる恐れもあります。
そうなると手術した部分の治癒が遅れてしまうので注意しましょう。
うがいをするときには優しくするように意識すべきです。できれば手術後24時間以内はうがいをしないようにしましょう。
インプラント手術後2週間は柔らかい歯ブラシを使う
何度も説明しているように、インプラントの手術が終わった後は非常にデリケートな状態です。
歯ブラシをする場合には柔らかい歯ブラシを使用するようにしましょう。
硬い歯ブラシで刺激を与えてしまうと傷口が開き、治りが遅くなってしまいます。
手術から2週間程度経過した後であればこれまでの歯ブラシに戻しても大丈夫でしょう。
心配な場合は歯科医院に相談することをおすすめします。
正しく歯磨きをする
インプラントであっても、日々のメンテナンス方法は同じです。正しい歯磨きをすることでトラブルを防止できます。
虫歯にならないからと歯磨きを怠らないようにしましょう。歯磨きをする場合は磨き残しがないように正しく磨くのが大切です。
自分では磨き残しがあるかどうかわからない方もいるでしょう。歯科医院では正しい歯磨きの指導をしてくれます。
口腔内は人によって異なるため、汚れがつきやすい場所や磨きにくい場所がどうしても存在します。
自分の口腔内をよく知り、自分に合った正しい磨き方を教えてもらうと良いでしょう。
デンタルフロスを使う
実は歯ブラシのみでのお手入れでは60%ほどの汚れしか落とせません。歯ブラシだけでのメンテナンスには限界があります。
そこでデンタルフロスを併用してのお手入れをおすすめします。デンタルフロスと歯ブラシの両方を使用してメンテナンスした場合、80%の汚れを落とせると言われています。
こちらも使用方法がわからない場合は歯科医院で相談しましょう。初めは面倒に感じるかもしれませんが、デンタルフロスを使用した後の口腔内はスッキリし、歯ブラシだけでのメンテナンスでは物足りなく感じるかもしれません。
歯科医院で定期的なメンテナンスを受ける
インプラントの治療が終わった後でも定期的に歯科医院に通院し、メンテナンスを受ける必要があります。
自分だけではわからない口腔内の汚れや噛み合わせの変化、治療した部分のチェックをしてもらいましょう。
目視だけでわからない骨の状態などはレントゲンなどの専門的な器具で検査します。
セルフメンテナンスだけではインプラントを長持ちさせることはできません。
治療後は歯科医院と長いおつきあいになることを想定し、信頼できる歯科医院を選ぶようにしましょう。
まとめ
インプラントとは、失った歯の治療方法の一つです。治療にかかる費用は高額ですが使用感と見た目の良さから人気のある治療法です。
インプラントは虫歯にはならないですが、インプラント周囲炎などのトラブルには注意しなければなりません。
治療が終わったから安心ではなく、その後のメンテナンスもきちんと実施し、インプラントの寿命を長持ちさせましょう。
メンテナンスはセルフメンテナンス以外にも歯科医院でのプロのメンテナンスも定期的に必要です。信頼できる歯科医院をみつけ、治療を実施するようにしましょう。
当院では、経験豊富な医師によってインプラント治療をおこなっております。インプラントをご検討中の方は、イオン直結のおくだデンタルクリニック港南台へお気軽にご相談ください。
港南台バーズ、ロピアにお越しの際もぜひお立ち寄りください。
この記事の監修者
本院院長 奥田 健太郎
略歴
2002年 日本歯科大学卒業
2002年 歯科医師免許取得
2003年 医療法人京和会梅田歯科 勤務
2005年 医療法人武内歯科医院 勤務
2009年 おくだデンタルクリニック開院 院長就任
2010年 九州大学大学院 博士号(歯学博士) 取得
2010年 九州大学大学院 歯学府 卒業
2011年 医療法人社団 健光会 設立
現在に至る
所属学会
アメリカインプラント学会
日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
AAIDアメリカインプラント口腔学会
日本顎咬合学会